塗り替えの必要性と
時期について

なぜ塗替えが必要なのか？

塗装が家の屋根材や外壁材を雨や紫外線から守っています。塗膜の耐用年数は、7～8年ともいわれ、住宅の平均寿命およそ30年の4分の1程度です。この塗膜が劣化してしまうと、屋根材や外壁材を雨や紫外線から守ることができなくなり、住宅の構造体自身が直接風雨や紫外線を受け強度を落としていくことになります。もっとも住宅の構造体を痛めるのは、雨漏りです。塗装は水を防ぐ役割が非常に大きく、これが住宅の寿命を決めてしまいます。そのため、5～10年に1度くらいのペースで塗り替えることが必要になってくるのです。

マンションのようなコンクリートの建物でも、目に見えないひび割れが進み、風雨が浸透していくと、コンクリートがアルカリ性から中和されて鉄筋に達するとサビを起こし、爆裂をいうコンクリートの割れを生んで強度不足に陥って寿命となってしまいます。そのためできる限り、雨や空気に触れさせないように塗装を繰り返すことが必要になります。

塗り替え時期の目安について

下記の場所別、塗料材質別塗り替え周期は、塗料メーカーの示す期待耐久年数です。しかしこれは、塗料の種類や、外壁材、日当たりや風通しなどでかなり違ってきます。南側の日当たりのよい場所と北側の日影など、また樹木に覆われた場所など環境の違いは大きく塗膜の寿命を変化させます。素人ではなかなか塗装の限界を見定めることが難しいので、5年に1度くらいは信頼できる塗装専門店に外壁診断を受けることをおすすめします。

場所別
外壁	8～10年
屋根	5～7年
木部・鉄部	3～5年

塗料の材質別
ウレタン系	7～9年
シリコン系	10～12年
フッ素系	15～20年

症状別：塗り替え状態の目安について

こんな症状が出ていたら塗り替えのサイン

簡単にできる自己チェックポイント

チョーキング(表面に粉)

塗膜の寿命が近づいた時、手で外壁を触っただけで白い粉がつくことがあります。これを放置しておくと、塗膜は硬化してはがれたりひび割れが発生したりします。この状態は、すでに塗膜の寿命が来ている状態ですので、すぐに専門店に診断を依頼しましょう。
外壁のヒビ割れ

モルタル、スタッコ、リシン仕上げの外壁などにヒビ割れが見られます。モルタルやコンクリートは乾燥するとともに伸縮してきます。仕上げ材の伸縮性で微細なヒビ割れは覆い隠されていますが、塗膜までヒビ割れを起こすと、そこから雨水が侵入して構造材を腐らせたりさびさせたりします。そのことが、建物の強度を急速に劣化させると同時に寿命を早めてしまう一番の原因になります。
コーキングのヒビ割れ

コーキングは、外壁材としてサイディングを使っている場合でも、繋ぎ部分に多く使われています。窓枠の周りやドアの枠周りなど多くの個所に見られます。コーキングは3年で硬化が目立つようになると言われており、寿命は7年前後です。コーキングに塗装を施さずにおくと硬化しやすいので、剥がれやヒビ割れに注意しましょう。
塗膜が剥がれてくる

塗膜は風雨や紫外線にさらされています。そのため、硬化が進み見柔軟性を失ってきます。内部からはサビや湿気など剥離する要因が数多くあります。建物の仕上げ材構造材が露出することを避けるために、部分補修を心がけましょう。
鉄部のサビ

鉄部は空気に触れることによって、酸化します。新築でも工事中のキズなどがある場合丁寧にサビ止め塗装をしておく必要があります。一度サビが発生すると、上から塗装しても防ぐことが難しく、サビをワイヤブラシなどできれいに落とす必要が出てきます。鉄部のサビはコンクリート外壁よりもこまめに点検し、部分的補修を行っておきましょう。